耐震・制震・免震はどれがいい?それぞれの違い、メリット・デメリット、費用相場を解説&結論!

2024.06.28

「これから家づくりをしていくうえで、地震に強い家を目指したい!でも、地震対策って耐震・制震・免震と種類があるみたいだね。それぞれの特徴や違いって何なの?結局どれがいいの?」

家づくりの地震対策でお悩みの方へ。

どうも!イエタッタ茨城・編集部のKです。
ということで今回は、地震対策でよく聞く「耐震・制震・免震」についてのお話。

近年、大きな地震が増えてきています。

ただでさえ地震大国と呼ばれる日本。国土交通省のHPを見ても、住宅・建築物の耐震化にはかなり力を入れていることがわかります。

“国土交通省では、「令和12年までに耐震性が不十分な住宅、令和7年までに耐震性が不十分な耐震診断義務付け対象建築物をおおむね解消する」ことを目標として掲げ、所有者による耐震化を支援しています。”
出典元:国土交通省 住宅・建築物の耐震化について

 

それだけに、地震に対して強い危機感を持つことが必要なのかもしれません。
となればっ!マイホームもなるべく地震に強い構造にしておきたいですよね!

そこで気になる「耐震・制震・免震」と呼ばれる地震対策の構造ですが、結局どれがいいのでしょう?これらの特徴や違いを理解していないと、家づくりもなかなか進まないのではないでしょうか。

ご安心ください!
本コラムを読んでいただければ、「耐震・制震・免震」についての理解が深まり、家づくりをするうえでの地震対策による悩みも解決するはずです♪

【このコラムの内容】

【 耐震・制震・免震】それぞれの違い
耐震
制震
免震
【耐震・制震・免震】それぞれのメリット・デメリット
耐震のメリット・デメリット
制震のメリット・デメリット
免震のメリット・デメリット
耐震・制震・免震の費用相場
耐震の費用の詳細
制震の費用の詳細
免震の費用の詳細
耐震・制震・免震・・・家づくりをするなら結局どれがいい!?
優先すべきは耐震等級2,3の取得
余裕があれば制震装置も導入
家の構造と同じくらい大切な「土地選び」
まとめ

「地震に強い家」を目指すなら、きっと参考になると思います。
ぜひ、最後までご覧ください。

【 耐震・制震・免震】それぞれの違い

まずは耐震・制震・免震それぞれの違いについて見ていきましょう。どれも地震対策という意味では共通していますが、その効果はさまざまです。

耐震

耐震は、地震の揺れに「耐える」ように設計された構造です。

柱と柱の間に筋交いという補強材を入れたり、耐力壁を増やして効率よく配置したり、接合部を強固にしたりするなど、丈夫な造りにすることで建物が倒壊しにくいようになっています。

ただし、耐震だけでは地震による「揺れ」を軽減する効果はありません。
あくまで頑丈な造りにすることで「耐える」ことが目的の構造であり、建物自体が「揺れる」ことは前提となっています。

よって、家具の転倒リスクや、地震が繰り返し起こることで建物へのダメージが蓄積し、倒壊してしまうといったリスクが全くないというわけではありません。

とはいえ、古くから実証されている工法ですし、地震に対して効果的なのは確かです。

また、現在は建築基準法により建物に一定以上の耐震性能が義務付けられています。

ですので、新築で家づくりをするようでしたら、耐震は基本的に本体価格に含まれているはずです。

このあたりは住宅会社に確認しておくとより安心ですね!

制震

制震は、地震の揺れを「吸収する」ように設計された構造です。

建物の重要箇所に制震装置を設けることで、揺れを吸収する仕組みになっています。

制震装置にはオイルダンパー、粘性(ゴム)ダンパー、鋼材ダンパーといった「制震ダンパー」と呼ばれるものが用いられるのですが、その種類によって設置方法・設置場所はさまざまです。

特に高さのある建物に効果的で、2階以上なら2割~5割ほど揺れを軽減するとも言われています。家具の転倒リスクを抑え、繰り返し起こる地震にも有効といえるでしょう。

また、次に解説する免震と比較するとコストも安く抑えることができるという点も制震の強みですね。

免震

免震は、地震の揺れを「伝えない」ように設計された構造です。

建物と地盤の間に免震装置(積層ゴム)というものを設置し、建物を地盤から切り離すことで、揺れが伝わりにくくなるという仕組みです。

免震は制震よりも揺れに強いものになっていて、仮に大地震が起きた場合でも、普通の建物と比較して7割~8割ほど揺れを抑えられると言われています。

ただし、建物と地盤が離れるという構造にあることから、台風や津波といった災害には効果を発揮しません。

また、もし家づくりで採用するとなると大がかりな工事が必要となるため、費用・時間ともにそれなりのコストがかかるという点も頭に入れておきたいところです。

【耐震・制震・免震】それぞれのメリット・デメリット

耐震・制震・免震は同じ地震対策でも効果に違いがあることがわかりました。

ここではさらに、それぞれのメリット・デメリットについてまとめていきます。

耐震のメリット・デメリット

耐震のメリット

・制震・免震と比較してコストが安い(新築なら必ず採用される)
・土地の広さ、建物の形状、間取りなどによる制限が少ない
・既存住宅でも施工可能
・台風などによる強風にも効果的
・古くから効果が実証されているため安心

・建物に採用しやすく、地震だけでなく台風にも効果的。
・また、古くから効果が実証されているという安心感もあります♪

耐震のデメリット

・「揺れる」ことは前提のため建物に揺れが伝わりやすい
・繰り返される地震によって建物にダメージが蓄積される
・上の階になるほど揺れが大きくなる

頑丈な造りになる耐震は安心感もある反面、万が一のリスクは残るという点には注意しておきましょう!

制震のメリット・デメリット

制震のメリット

・免震と比較してコストが安い
・土地の広さ、建物の形状、間取りなどによる制限が少ない
・既存住宅でも施工可能
・制震装置のメンテナンスがほとんど必要ない
・建物の揺れを吸収し、破損リスクを抑えられる
・繰り返される地震によるダメージの蓄積も抑えられる
・台風などの強風にも効果的

コストを抑えて、より地震に強い構造にできるのが制震の強みです♪
設置制限がなくメンテナンスの手間も少ないので、採用しやすいのも大きな特徴!

制震のデメリット

・地震の揺れ自体は感じる
・地盤が軟弱だと設置できないケースもある
・適切な場所、適切な数の設置が必須

地盤の状態によっては設置できないケースもあるという点には注意しておきましょう。

また、制震装置は適切な場所に適切な数の設置ができていることが重要です。これができていないと効果を発揮しにくくなってしまうので、施工を依頼するようでしたら、なるべく信頼できそうな会社にお願いしたいところですね。

免震のメリット・デメリット

免震のメリット

・横揺れに強く、地震による揺れが少ない
・家具の転倒や建物の損傷をかなり抑えられる
・大きな地震にも効果的
・高い建物でも一定の効果がある

免震は耐震・制震と比較して、より強い地震に効果的!
さまざまな規模の建物に有効で、近年はビルやマンションに採用されるケースが多くなってきているようです♪

免震のデメリット

・耐震・制震と比較してコストが高い
・設計上、地下室はつくれない
・免震装置の定期メンテナンスが必要
・建物と地盤が離れているため、縦方向の揺れに弱い
・台風などの強風にも弱い
・既存住宅に追加するには多額の費用と長い施工期間が必要

採用するにはコスト面等の問題をクリアする必要があります。
また、縦揺れや台風に弱いといったデメリットも気になりますね。

耐震・制震・免震の費用相場

コスト面には少し触れてきましたが、やはり気になるのは具体的な費用相場ですよね。

以下をご覧ください。

 

 

【耐震・制震・免震の費用相場】

費用相場を表にまとめてみました。

とはいえ、これは標準的な住宅の相場であり、あくまで目安です。
実際には床面積の広さや地域などによっても異なるのでご了承ください。

費用相場については事前に住宅会社に見積もりを取るなどして、ご自分でも確認をしてみましょう!

それぞれの費用の詳細についても解説していきますね。

耐震の費用の詳細

先ほども触れていますが、耐震住宅は建築基準法で定められているため、新築であれば本体価格に含まれています。

ただし、建築基準法で定められている耐震水準は「耐震等級1」です。

住宅会社によっては標準仕様で耐震等級2~3を採用していますが、仮に耐震等級を上げる場合はその分コストも上がります。また、リフォームで耐震補強をするとなると、家の面積、構造、築年数によって大きく異なるでしょう。

家づくりをするなら、標準でどの耐震等級が付くのかも住宅会社に確認しておくといいですね♪ちなみに筆者のお家は「耐震等級3」です!

✔補足:各耐震等級の性能について

【耐震等級1】

耐震等級1は震度6強~7であれば倒壊はせず、震度5弱程度であれば損傷を受けないとされています。損傷や倒壊がないだけで、住宅の主要構造部分が破損する可能性はあるので注意です。

【耐震等級2】

耐震等級2の耐震性能は、耐震等級1の1.25倍とされています。
震度6強~7であれば一定の補修で済むのと、震度7の地震が来たとしても1回であれば耐えられるとされています。
ただし、震度7の大きな揺れが立て続けに2回起こると、倒壊してしまうリスクも。

【耐震等級3】

耐震等級3の耐震性能は、耐震等級1の1.5倍とされています。
かなり大きな地震でも軽い補修で済むため、地震に対してはかなり強くなります。
どの等級でも過信は禁物だとは思いますが、専門家の調査によると、耐震等級3は震度7の地震が立て続けに2回起きても耐えられたという実績もあります。

制震の費用の詳細

制震は、免震と比較しても費用は安価です。住宅会社によっては標準で採用している所もあります。

標準的な住宅の相場で50万円~100万円が目安なので、耐震性能を重視した家づくりを目指すなら視野に入れるべき工法ですね。もちろん、既存の住宅にも導入可能です。

ただし、繰り返しますが費用相場はあくまで目安。
建物の大きさなどにもよりますし、現在は制震ダンパーの商品は多数あり、その種類はさまざまです。

そのため、性能や設置する材料の種類などによっても、価格は大きく変わってくるでしょう。

免震の費用の詳細

免震は耐震・制震と比較してもっとも費用がかかる工法です。

先ほどの一覧表では標準的な住宅の相場で300万円~500万円が目安となっていましたが、当然、床面積が増えれば増えるほど設置費用も高額になります。

地震対策としては有効ではあるものの、新築で採用するとなると費用・時間ともにコスト面が問題ですね。

さらに言いますと、免震装置は定期メンテナンスが必要になるため、維持費用も視野に入れなくてはなりません。

また、既存の住宅に導入する場合、建物を持ち上げたり解体したりすることになるため、さらに費用は高額になるでしょう。

耐震・制震・免震・・・家づくりをするなら結局どれがいい!?

耐震・制震・免震は結局どれがいいのでしょう?

もちろん、家づくりにおいてどれくらい地震対策を重視するのかにもよりますし、その人の価値観によっても意見は変わると思います。

本当に「地震に強い家」だけを考えるようでしたら、耐震・制震・免震の3つ全てを導入するのが効果的でしょう。

しかし、せっかくの家づくりです。災害対策に限らず、デザイン性や機能性といった点にもコストをかけたいと思うのが当たり前ですよね。

そうなると、地震対策ばかりに多額な費用はかけられません。コストを抑えつつ地震にも強い家が理想と言えます。

ということで、結論は以下のとおりです。

・優先すべきは耐震等級2,3の取得
・余裕があれば制震装置も導入

優先すべきは耐震等級2,3の取得です。余裕があれば制震装置の導入も検討しましょう!

なお、「免震」に関してはコスト面等を考えると難しい部分も多いので、今回は含まれていません。

それでは、詳細をご覧ください。

優先すべきは耐震等級2,3の取得

まず、新築であれば耐震等級2、3の取得が優先です。

耐震等級1と比較して、地震による損傷や倒壊のリスクがより軽減されるので安心感もあります。

耐震等級に関しては住宅会社選びの段階で確認しておくべきでしょう。

「地震に強い家」を重視するようでしたら、耐震等級2、3を標準で採用している住宅会社を基準に選んでみてもいいかもしれません。

ただし、耐震等級2、3の取得には必ず審査機関の評価(性能表示制度)が必要です。耐震等級2相当と表現する会社は審査を受けていないことを暗喩しているので、注意してください。

また、仮に等級を上げるとなると当然その分コストもかかるということも頭に入れておきましょう。

なお、リフォームの場合は、耐震補強で評点1.0(現行法規を満たす)が優先です。

余裕があれば制震装置も導入

近年、「耐震」で地震の力に耐えつつ、「制震」で揺れを吸収するという考え方も普及しつつあります。

このメリットとしては、耐震だけではカバーしきれないリスクを制震の技術で補うことができるという点。

耐震は地震に耐えるという強みがある反面、繰り返しの地震によるダメージの蓄積が懸念されます。そこで、制震ダンパーも設置することで地震の揺れを吸収し、耐震では補えないダメージの蓄積を貯めこまないようにしてくれるのです。

つまり、「耐震+制震」は相乗効果によってより耐震性能の高い建物になり、損傷・倒壊のリスクを軽減することができます。

制震も住宅会社によっては標準で採用されていますが、もし標準に含まれていなくてもまずは相談してみましょう♪

繰り返しますが、「地震に強い家」を目指すなら、まずは耐震等級2,3の取得が優先です。

そのうえで、余裕があれば「耐震+制震」という考え方も視野に入れてみてはいかがでしょうか。

家の構造と同じくらい大切な「土地選び」

本コラムは、建物の構造による地震対策をメインでお話をしてきました。

しかし、災害は地震だけではなく、建物だけでは対策できないようなものもあります。

火災、液状化現象、土砂災害、水害(洪水、津波)など。
どれも、建物だけでなく「土地選び」による対策も必要です。

建物の構造はもちろん大切ですが、それと同じくらい、リスクの高い場所に住まないことも重要なのです。

火災が心配であれば隣地から距離のある土地を選ぶ。
液状化現象を防止するために土地の地盤に注意する。
土砂災害や水害は最低でもハザードマップは確認しておく。
候補の土地に足を運んで、自分の目で周辺環境の確認もしておきたいですね。

もし、家づくりを検討している、もしくは土地を探しているという段階でしたら、ぜひリスクの低い暮らしも意識してみてください。そのうえで、理想の家づくりを目指していきましょう!

土地探しに役立つコラムを書いているので、よろしければ参考にどうぞ!

【土地の探し方のコツPart1】茨城県で家づくりをした筆者の実体験!

【土地の探し方のコツPart2】土地の探し方と基礎知識

まとめ

本コラムは以下の内容でお送りしました。

【 耐震・制震・免震】それぞれの違い
【耐震・制震・免震】それぞれのメリット・デメリット
耐震・制震・免震の費用相場
耐震・制震・免震・・・家づくりをするなら結局どれがいい!?
家の構造と同じくらい大切な「土地選び」

耐震・制震・免震それぞれの特徴や違い、メリット・デメリット、費用相場を見比べて、ご自分に合った構造を検討してみましょう♪

「免震」をもし導入を検討されるようでしたら、コスト面等、向き合わなければいけない部分も多いので注意。

「地震に強い家」を目指すなら、まずは耐震等級2,3の取得が最優先です。
耐震等級は住宅会社選びの段階でも確認しておきましょう!

ただし、耐震等級2、3の取得には必ず審査機関の評価(性能表示制度)が必要。耐震等級2相当と表現する会社は審査を受けていないことを暗喩しているので、注意してください。

より地震に強い家を目指すなら、「耐震+制震」という考え方も視野に入れておくと良いですね♪余裕があれば制震装置の導入も検討してみましょう!

また、地震に限らずさまざまな災害に対応するためには、土地選びも重要です。
ぜひ、リスクの低い場所に住むことも意識して、家づくりを進めていただけたらと思います。

当サイトでも、地震に強い家づくりに対応した住宅会社様のチェックをどうぞ!
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それでは以上になります。最後までご覧いただきありがとうございました!

 

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